Thirteenth floor

UNOの研究報告 第1回目

2020年7月5日19:07, ボードゲーム

概要

ボードゲームの1つであるUNOの実験、研究を行っております。

ドメモの論文、宝石の煌きの論文と同じように、論文にして発表する予定です。

実験、研究している結果を途中途中でブログへ記載していこうと思います。 最終的には論文にまとめます。

第1回目ではUNOをプレイする順番について考えていきます。

UNOのルール

以下に記載した項目が本記事における UNO のルールです。このルールに則り以降のシミュレーションは実行されました。

  1. スタートプレイヤーを任意の方法で決める。
  2. 各プレイヤーにカードを 7 枚配る。
  3. 山札の 1 番上のカードをめくる。ワイルド・ドロー 4 だった場合は再度山札 の上からカードをめくる。
  4. スタートプレイヤーの左隣のプレイヤーから場札と同じ色または数字、記号 のカードを手札から 1 枚場へ出す。
  5. 手札から場へカードを出すことが出来ない場合は、山札から手札へカードを 1 枚加える。
  6. 手札から場へカードを出すことが出来る場合でも、山札から手札へカードを 1 枚加えることが出来る。
  7. 山札から手札へカードを 1 枚加えた場合、項番 4 の条件を満たしていれば加 えられたカードのみ手札から場へ出すことが出来る。
  8. 山札が無くなった場合は、場の 1 番上にあるカードを除いてよくシャッフル し、山札とする。
  9. 誰か 1 人のプレイヤーが持っている手札が 0 枚になったとき、 1 ゲーム終了 となり得点を計算する。
  10. 得点は数字カードが額面の数字分の点数、記号カードが 20 点、ワイルドカー ドが 50 点である。敗者の合計点数を勝者に加算する。 3
  11. UNO の終了は誰か 1 人のプレイヤーが獲得した得点が 500 点を超えたとき である。それまでは上記を繰り返す。

行った実験の説明

実験に使用したモデルについて説明します。

モデル名は手札にある出せるカードをランダムに出すモデルです。思考の流れは以下のようになります。

  • 前のプレイヤーがドロー 2 、ドロー 4 、スキップを出してないことを確認する。
  • 場に出ている 1 番上のカードを確認し、自分の手札に出せるカードを挙げる。
  • 出せるカードをランダムに選択して場に出す(ワイルドのカードにおける色 選択もランダムに行う)。
  • 出せるカードがない場合、山札からカードを 1 枚取る。
  • 手番を次のプレイヤーへ移す。

プレイヤーの人数は4人、得点が500点以上のプレイヤーが出た時点で1ゲーム終了、これを10000回行います。

また実験基盤はpythonによって実装しました。

実験結果

UNOのシミュレーション結果

図は手札にある出せるカードをランダムに出すモデルのシミュレーション結果です。 横軸が UNO 終了時に取得している得点縦軸がその得点で終了したゲーム回数です。 A 、 B 、 C 、 D はプレイヤー名で順番はそれぞれ 1 、 2 、 3 、 4 番目です。 図から、 500 点以上を獲得しているゲーム回数が最も多いのは A です。これは、 1番目のプレイヤーが有利になることを示しています。


図の点は、0点から50点までは050点から100点50のようにプロットされています。

500にプロットされている4つの点を見ると、Aだけ顕著に飛び出していますね。一方でB、C、Dはほとんど同じに見えます。

500以降も、550、600、650はAが上回っているように見えますが、他のプレイヤーとの差はあまりありません。

実験結果に対する考察

第一に、500にプロットされている点というのは、UNOにおける勝利回数を意味します。500点以上取ればそのプレイヤーの勝利です。

1番目にプレイしているAが他のプレイヤーよりも多く勝利しているということから、1番目にプレイすることがプレイヤーにとって有利に働くと考えられます。

また、2番目から4番目のプレイヤーの間では500にプロットされている点のゲーム回数にはそれほど差がありません。

したがって、1番目だけが順番による有利さを得ていると考えられます。

第二に、0から150までにプロットされている点で、4人のうちAは最も少ないゲーム回数です。これは順番による有利さが働き、ゲームに負けている回数が少なくなっていることを示しています。

他のプレイヤーと比べて0のところだけ極端に少ないのも、500のところの多さと対照的であり、0の回数が減った分、500の回数が増えているといえます。

1番目だけがこれほどまでに有利になる理由が今のところ分かっていないので、今後考察していければと思います。

コメント

コメント投稿ページへ